アヴァシンの帰還が発売されてから、2週間が過ぎようとしている。
今回も赤緑ステロイドについて書く。

目次
Ⅰ.デッキリスト
Ⅱ.変更点
Ⅲ.サイドボードについて
Ⅳ.今後の展望について


Ⅰ.デッキリスト

【赤緑ステロイド1.4.4~闇の隆盛】

1:《酸のスライム/Acidic Slime》
4:《極楽鳥/Birds of Paradise》
2:《地獄乗り/Hellrider》
4:《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
4:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
2:《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
4:《絡み根の霊/Strangleroot Geist》
1:《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》

22 Creatures

4:《感電破/Galvanic Blast》
4:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
2:《火葬/Incinerate》
4:《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》

14 Spells

4:《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4:《銅線の地溝/Copperline Gorge》
3:《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》
8:《森/Forest》
5:《山/Mountain》

24 Land

2:《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1:《殴打頭蓋/Batterskull》
1:《焼却/Combust》
2:《四肢切断/Dismember》
2:《情け知らずのガラク/Garruk Relentless》
1:《帰化/Naturalize》
2:《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》
3:《裏切りの血/Traitorous Blood》
1:《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》

15 Sideboad


【赤緑ステロイド2.0~アヴァシンの帰還】

4:《極楽鳥/Birds of Paradise》
2:《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》
4:《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
4:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
2:《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
4:《絡み根の霊/Strangleroot Geist》
1:《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》
2:《ウルフィーの報復者/Wolfir Avenger》
1:《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart》

24 Creatures

4:《感電破/Galvanic Blast》
2:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
2:《火葬/Incinerate》
4:《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》

12 Spells

4:《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4:《銅線の地溝/Copperline Gorge》
3:《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》
8:《森/Forest》
5:《山/Mountain》

24 Land

1:《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1:《殴打頭蓋/Batterskull》
1:《焼却/Combust》
2:《四肢切断/Dismember》
1:《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
2:《帰化/Naturalize》
2:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2:《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》
2:《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》
1:《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》

15 Sideboad



Ⅱ.変更点
①《地獄乗り/Hellrider》→《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》
《地獄乗り/Hellrider》を理由は2つある。
(1)《地獄乗り/Hellrider》が優も不可も無いカードでること。
(2)《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》の方がデッキの方向性と一致しているからである。


(1)について、このように感じたのはサイドボーディンングについて受けたアドバイスを参考にしている。《地獄乗り/Hellrider》は特定のデッキに対しての強さが無い。コントロールにとってはカウンターでも除去でも対処でき、ビートダウンでは《絡み根の霊/Strangleroot Geist》や《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》を巡る攻防が優先される。以上のような要因からサイドボード後ではより相性の良いカードと交換されることになる。これはデルバーにとっての《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》に似ている。

(2)はっきり言おう。私は《地獄乗り/Hellrider》がこのデッキに最良の選択だと思っていない。確かにライフレースを優位にするということに対しては合っている。しかし、《地獄乗り/Hellrider》は ”仲間はずれ”なのだ。

デッキリストのマナクリーチャー以外を眺めてみよう。
1:《酸のスライム/Acidic Slime》→CIP能力:エンチャント、アーティファクト、土地破壊。
4:《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》→CIP能力:狼トークン。変身:2点除去
4:《絡み根の霊/Strangleroot Geist》→不死
2:《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》上記のクリーチャーのコピー
1:《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》→再生
2:《地獄乗り/Hellrider》


《地獄乗り/Hellrider》だけがアドバンテージを生み出さず、除去耐性も無いのだ。

さらに両者の特徴を比較してみよう。
【《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》の特徴】
長所:
二段攻撃であるため、《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》や剣との相性が良く、戦闘で一方的に打ち勝てる。
不死であるため、除去耐性、リソース面で優位に立てる。
短所:
《火柱/Pillar of Flame》で追放される。バウンスでテンポを取られてしまう。


【《地獄乗り/Hellrider》の特徴】
長所:
奇襲性が高く、ブロックされたとしてもライフを責めることができる。
短所:
除去耐性が無く、対処が容易。(闇の隆盛発売直後より、意識されている)
本体も攻撃参加すると、相内に取られる。
他にクリーチャーがいない場合、高い打点を期待できない。


以上の特徴から
奇襲性やブロックの有無に関係無くダメージを通すことに優れる《地獄乗り/Hellrider》
殴り合いに強く、サポートカードとの相性が良い《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》
と見ることができる。


そして、現在の赤緑ステロイドは《絡み根の霊/Strangleroot Geist》で早い段階からクロックを生み出し、《絡み根の霊/Strangleroot Geist》が相打ちに取られても不死で戦線を維持。
中盤以降は《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》で相手に盤面への対処とアクションを強要し、変身能力でさらなるアドバンテージを追求する。
終盤は《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》と《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》のサポートでマナクリーチャーを戦闘要員にして、戦線を維持する。
これが赤緑ステロイドの動きである。

《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》を組み込むことで戦線の維持を容易にすることができ、《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》と《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》の恩恵を活用することができるのである。

また、この組み合わせは赤緑ケッシグのタイタンを悪くて相打ち、《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》がワンサイズ大きくなって戻ってくる。さらにトランプルと二段攻撃の組み合わせで、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》にブロックされても、1点軽減だけで済むのだ。
ルール参照→http://mtgwiki.com/wiki/%E4%BA%8C%E6%AE%B5%E6%94%BB%E6%92%83

以上の要因から《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》を採用する。


②4:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》→2:《ウルフィーの報復者/Wolfir Avenger》& 2:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》

この変更に関しては前回の日記(ステロイドの今後→http://alienlifeform.diarynote.jp/201204031720375171/)を参照して頂きたい。
ここで挙げている通り、3マナのアクションとして満足できるクリーチャーをアヴァシンの帰還で得ることができた。よって必要悪だった《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》は減らしてもよい。
《ウルフィーの報復者/Wolfir Avenger》は《トロールの苦行者/Troll Ascetic 》に近いスペックを持ち合わせている。呪禁の代わりに瞬速を持っているが、その利点について提示しよう。

(1)相手のターンに行動でき、インスタントを構えながらアクションを選択できる。
(2)ソーサリー除去に対する耐性
(3)2/2のクリーチャーに対してのコンバットトリック
(4)《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》の変身タイミングの調整

以上の利点で特筆すべきなのは(4)である。盤面を維持する赤緑ステロイドでは何も展開しないターンを作ることはこれ以上無い不利益だ。
しかし、このカードは呪文を唱えずターンを返しても、相手ターンで盤面を強化することができる。
また、逆も可能で相手が変身させようとターンを返しても、《ウルフィーの報復者/Wolfir Avenger》を打つことで返信のタイミングを逆転させることができるのだ。
《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》を巡る攻防が勝敗を分ける同系対決に新たな要素が加わったと言える。


③《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart》の採用
PTバルセロナのブロック構築で猛威を振るった《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart》を採用する。このカードは赤緑ステロイドに不足していたパワーを補うカードである。最低で5/5・8/8を得られるカードで確定除去を持ち合わせないカラーでは対処ができない。このカードに対しても前述の《グリセルブランドの猟犬/Hound of Griselbrand》は相性が良い。
スタンダード環境においてもブロック構築と同等とまでは言えないが、活躍してくれるだろう。

Ⅲ.サイドボードについて
①《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》を獲得できたのが大きい。《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》を奪った上に5/5でのアタックでゲームを終わらせられる。

②《魂の洞窟/Cavern of Souls》の採用でリアニメイト系のデッキが台頭することを考慮するべきである。前環境ではリアニメイト系は絶対数が少ないことから無視していたが、打消し呪文の減少でリアニメイトは増えるだろう。《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》をサイドボードに採りたい。


Ⅳ.今後の展望について
最も考慮しなければならないのは《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》についてだろう。メイン・サイド合わせて2枚程度採用したいが、それは周りがどの程度このカードを使用するかによる。特に同系で多数採用されるようになれば積む必要が出てくるだろう。
一方的に《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》を撃ち込まれる状況は避けたいからだ。


最後に我々は《地獄乗り/Hellrider》の “幻想” やデッキに隠れている “必要悪” を捨てるべきだ。
以上で今回の考察を完了する。

コメント

時雨
2012年5月22日22:30

リンクさせて頂きました!

とけいまわり
2012年6月5日17:32

あしあと欄から飛んでまいりました。
正確な考察で大変参考になりました。
リンクさせていただきましたので、宜しくお願い申し上げます。

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